金融先物取引業者の自己資本規制に関する内閣府令
(定義)
第一条 この府令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 自己資本規制比率 金融先物取引法 (以下「法」という。)第八十二条第一項 に規定する自己資本規制比率をいう。
二 固定化されていない自己資本の額 基本的項目の額(次条第一項第一号から第六号までに掲げるものの額の合計額をいう。次条第一項第七号において同じ。)及び補完的項目の額(同号に掲げるものの額をいう。第二十条第二項において同じ。)の合計額から、控除資産の額(第三条第一項各号に掲げるものの額の合計額をいう。次条第一項第七号において同じ。)を控除した額をいう。
三 その他有価証券 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則 (昭和三十八年大蔵省令第五十九号。次項において「財務諸表等規則」という。)第八条第二十一項 に規定する有価証券をいう。
四 有価証券等 有価証券(証券取引法 (昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項 及び第二項 に規定する有価証券をいう。以下同じ。)その他の資産及び取引をいう。
五 オフ・バランス取引 貸借対照表に記載されない資産又は負債に係る取引をいう。
六 指定国 別表第一に掲げる国(地域を含む。以下同じ。)をいう。
七 時価額 計算を行う日の公表されている最終価格に基づき算出した価額又はこれに準ずるものとして合理的な方法により算出した価額をいう。
八 オプション取引等 オプション取引及びその関連の原資産のポジションをいう。
九 ポジション 有価証券等の持ち高をいう。
十 ロング・ポジション 買持ちのポジションをいう。
十一 ショート・ポジション 売持ちのポジションをいう。
十二 ネット・ポジション 対当する(あるポジションと他のポジションが、相互に他方のポジションから生じ得る損失を減少させる状態にあることをいう。)ポジション同士を相殺した結果として残るポジションをいう。
十三 ポートフォリオ 一又は二以上の取引又は資産の集合体をいう。
十四 バリュー・アット・リスク ある期間及び危険率を前提として推定した資産価値変動分布において損失額がある値以上となる確率が危険率に等しくなるときの当該値をいう。
十五 リスク計測モデル 第十五条に定めるところにより、金融先物取引業者(法第八十二条第一項 に規定する金融先物取引業者をいう。以下同じ。)が作成し使用する第四条第一項第一号に規定する市場リスク相当額を算出する方法をいう。
十六 バック・テスティング 第十二条第二項に定めるところにより算出される損益とリスク計測モデルにより算出される損益との比較の結果に基づき、リスク計測モデルの正確性の検定を行うことをいう。
十七 ストレス・テスト リスク計測モデルを用いて、想定される将来の価格変動を上回る価格変動が生じた場合に発生する損益に関する分析を行うことをいう。
2 この府令において、「関係会社」とは、次に掲げる者をいい、「子会社等」とは、第二号及び第三号に掲げる者をいう。
一 金融先物取引業者の親会社(財務諸表等規則第八条第三項 の規定により当該金融先物取引業者の親会社とされる者をいう。以下この項において同じ。)
二 金融先物取引業者の子会社(財務諸表等規則第八条第三項 及び第七項 の規定により当該金融先物取引業者の子会社とされる者をいう。)
三 金融先物取引業者の関連会社(財務諸表等規則第八条第五項 の規定により当該金融先物取引業者の関連会社とされる者をいう。)
四 金融先物取引業者の親会社の子会社(財務諸表等規則第八条第三項 及び第七項 の規定により当該親会社の子会社とされる者(当該金融先物取引業者及び前二号に掲げる者を除く。)をいう。)
五 金融先物取引業者の親会社の関連会社(財務諸表等規則第八条第五項 の規定により当該親会社の関連会社とされる者(第三号に掲げる者を除く。)をいう。)
3 この府令において「連結会社」とは、次に掲げる者をいう。
一 金融先物取引業者(連結財務諸表提出会社(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則 (昭和五十一年大蔵省令第二十八号)第二条第一号 に規定する連結財務諸表提出会社又は外国におけるこれに相当する者をいう。次号及び別表第十八において同じ。)に限る。)の連結子会社(同条第三号 に規定する連結子会社又は外国におけるこれに相当する者をいう。次号及び別表第十八において同じ。)
二 金融先物取引業者を連結子会社とする連結財務諸表提出会社及びその連結子会社(当該金融先物取引業者及び前号に掲げる者を除く。)
4 この府令において「指定格付」とは、金融庁長官が指定格付機関(企業内容等の開示に関する内閣府令 (昭和四十八年大蔵省令第五号)第一条第十三号の二 に規定する指定格付機関をいう。第五条第四項第一号及び別表第十二において同じ。)ごとに指定した格付をいう。
(自己資本)
第二条 法第八十二条第一項 に規定する資本金、準備金その他の内閣府令で定めるものは、次に掲げるものとする。
一 資本金(外国法人にあっては、資本金に対応する資産のうち国内に持ち込むものの額)
二 新株式申込証拠金
三 資本剰余金(外国法人にあっては、国内の営業所又は事務所において積み立てられた準備金)
四 利益剰余金(社外流出予定額(配当及び役員賞与の予定額をいう。)を除く。)
五 その他有価証券評価差額金(貸借対照表の純資産の部に計上されるその他有価証券の評価差額が負となる場合における当該評価差額をいう。)
六 自己株式
七 次のイからホまでに掲げるものであって、その額(ニに掲げるものにあっては基本的項目の額の五十パーセントに相当する額(ホにおいて「算入限度額」という。)を限度とし、ホに掲げるものにあっては基本的項目の額から控除資産の額を控除した額の二百パーセントに相当する額を限度とする。)の合計額が基本的項目の額に達するまでのもの
イ その他有価証券評価差額金(貸借対照表の純資産の部に計上されるその他有価証券の評価差額が正となる場合における当該評価差額をいう。)その他前各号に掲げるもの以外の貸借対照表の純資産の部に計上されるもの
ロ 金融先物取引法施行規則 (平成元年大蔵省令第十八号)第十三条の二第一項 各号に掲げるもの
ハ 一般貸倒引当金(流動資産に属する資産に係るものに限る。)
ニ 長期劣後債務(残存期間が五年以内になったものにあっては、毎年、残存期間が五年になった時点における額の二十パーセントに相当する額を累積的に減価したものに限る。)
ホ 短期劣後債務(長期劣後債務(第三項各号に掲げる性質のすべてを有するものに限る。)のうち、算入限度額を超える額及びニに規定する減価したものの累計額の合計額に相当するものを含む。)
2 前項第七号ニの「長期劣後債務」とは、劣後特約付借入金(元利金の支払について劣後的内容を有する特約が付された金銭の消費貸借による借入金をいう。次項及び第四項において同じ。)又は劣後特約付社債(元利金の支払について劣後的内容を有する特約が付された社債をいう。次項及び第四項において同じ。)であって、次に掲げる性質のすべてを有するものをいう。
一 担保が付されていないこと。
二 契約時又は発行時における借入期間又は償還期間が五年を超えるものであること。
三 期限前弁済又は期限前償還(以下この条において「期限前弁済等」という。)の特約が付されている場合には、当該期限前弁済等が債務者である金融先物取引業者の任意によるものであり、かつ、当該金融先物取引業者が当該期限前弁済等を行うことについて金融庁長官(金融先物取引法施行令 (平成元年政令第五十三号。以下「令」という。)第二十六条第二項 に規定する金融庁長官の指定する金融先物取引業者以外の金融先物取引業者にあっては、当該金融先物取引業者が現に受けている登録をした財務局長又は福岡財務支局長。第六項を除き、以下同じ。)の承認を受けたときに限り、当該期限前弁済等を行うことができるものであること。
四 金融先物取引業者がその利金の支払を行うことにより法第八十二条第二項 の規定に違反することとなる場合には、当該利金の支払を行わない旨の特約が付されていること。
3 第一項第七号ホの「短期劣後債務」とは、劣後特約付借入金又は劣後特約付社債であって、次に掲げる性質のすべてを有するものをいう。
一 担保が付されていないこと。
二 契約時又は発行時における借入期間又は償還期間が二年以上のものであること。
三 期限前弁済等の特約が付されている場合には、当該期限前弁済等が債務者である金融先物取引業者の任意によるものであり、かつ、当該金融先物取引業者が当該期限前弁済等を行うことについて金融庁長官の承認を受けたときに限り、当該期限前弁済等を行うことができるものであること。
四 金融先物取引業者がその元利金の支払を行うことにより法第八十二条第二項 の規定に違反することとなる場合には、当該元利金の支払を行わない旨の特約が付されていること。
4 第二項に規定する長期劣後債務又は前項に規定する短期劣後債務について、次の各号に掲げる場合においては、当該各号に定める額を当該長期劣後債務の額又は当該短期劣後債務の額から控除しなければならない。
一 劣後特約付借入金の借入先が子会社等である場合 当該劣後特約付借入金の額
二 劣後特約付社債の保有者(信託財産をもって保有する者を含む。次号において同じ。)が自己又は子会社等である場合 当該劣後特約付社債の額
三 劣後特約付借入金の借入先又は劣後特約付社債の保有者に意図的に資金の提供を行っている場合 当該資金の額(当該資金の額が劣後特約付借入金の額及び劣後特約付社債の額の合計額を超える場合にあっては、当該合計額)
5 第二項第三号又は第三項第三号の承認を受けようとする金融先物取引業者は、次に掲げる事項を記載した承認申請書に契約書の写し又はこれに準ずる書類を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
一 商号又は名称
二 登録年月日及び登録番号
三 期限前弁済等の額(外貨建てである場合にあっては、期限前弁済等の額及びその円換算額)
四 現在及び期限前弁済等を行った後の長期劣後債務又は短期劣後債務の額(外貨建てである場合にあっては、長期劣後債務又は短期劣後債務の額及びその円換算額)
五 期限前弁済等を行う理由
六 期限前弁済等の予定日
七 十分な自己資本規制比率を維持するための資本調達その他の具体的措置の内容
八 期限前弁済等を行った後の自己資本規制比率の推定値
6 金融庁長官、財務局長又は福岡財務支局長(以下「金融庁長官等」という。)は、第二項第三号又は第三項第三号の承認をしようとするときは、当該長期劣後債務又は当該短期劣後債務が自己資本規制比率を一時的かつ意図的に向上させたものでないことを確認の上、次に掲げる基準のいずれかに適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該期限前弁済等を行った後において当該金融先物取引業者が十分な自己資本規制比率を維持することができると見込まれること。
二 当該期限前弁済等の額以上の額の資本調達を行うこと。
(控除すべき固定資産等)
第三条 法第八十二条第一項 に規定する固定資産(外国法人にあっては、国内の営業所又は事務所における固定資産)その他の内閣府令で定めるものは、貸借対照表の科目その他のもので次に掲げるものとする。
一 固定資産(その他有価証券のうち、次に掲げるものを除く。)
イ 証券取引所(これに類似するもので外国に所在するものを含む。)に上場されている有価証券
ロ 証券取引法第七十五条第一項 の店頭売買有価証券登録原簿(これに類似するもので外国に備えられるものを含む。)に登録されている有価証券
ハ 国債証券
二 繰延資産
三 流動資産のうち、次に掲げるもの
イ 預託金(前条第一項第七号ロに掲げるもの、証券取引法第四十七条第三項 の規定による信託及び商品取引所法施行規則 (平成十七年農林水産省・経済産業省令第三号)第九十八条第一項第二号 の規定による預託金を除く。)
ロ 顧客への立替金(期間が二週間未満のものを除く。)
ハ 関係会社(連結会社を除く。)に対する短期貸付金(金融機関(銀行、協同組織金融機関の優先出資に関する法律 (平成五年法律第四十四号)第二条第一項 に規定する協同組織金融機関又は証券取引法施行令 (昭和四十年政令第三百二十一号)第一条の九 各号に掲げる金融機関をいう。以下同じ。)、信託会社、証券会社(証券取引法第二条第九項 に規定する証券会社をいう。以下同じ。)又は外国証券会社(外国証券業者に関する法律 (昭和四十六年法律第五号)第二条第二号 に規定する外国証券会社をいう。以下同じ。)へのコール資金の貸付け及び国内の金融機関又は証券会社が振り出した為替手形の購入に係るものを除く。)
ニ 前払金
ホ 前払費用
四 保有する有価証券(信託財産をもって保有する有価証券を含む。)のうち、次に掲げるもの(第一号に掲げるものを除く。)
イ 関係会社が発行した有価証券(連結会社が発行した社債等の振替に関する法律 (平成十三年法律第七十五号)第六十六条第一号 に規定する短期社債、保険業法 (平成七年法律第百五号)第六十一条の十第一項 に規定する短期社債及び資産の流動化に関する法律 (平成十年法律第百五号)第二条第八項 に規定する特定短期社債に係るもの、コマーシャル・ペーパー(証券取引法第二条第一項第八号 に掲げる有価証券及び同項第九号 に掲げる有価証券で同項第八号 に掲げる有価証券の性質を有するものをいう。以下この号及び別表第十五において同じ。)、引受けにより取得したもので保有期間が六月を超えないもの及び売買の状況にかかわらず意図的に関係会社への資金提供を目的とした保有でないことが明らかなものを除く。)
ロ 他の会社又は第三者が発行したコマーシャル・ペーパー又は社債券(金融先物取引業者が当該他の会社から資本調達手段を受け入れている場合であって、当該金融先物取引業者が意図的に保有しているものに限る。)
ハ 証券取引法第二条第一項第五号 から第六号 までに掲げる有価証券、新株予約権付社債券及び同項第九号 に掲げる有価証券でこれらの有価証券の性質を有するもの(第一号イ又はロに掲げるもの及び引受けにより取得したもので保有期間が六月を超えないものを除く。)
五 第三者のために担保に供されている資産(前各号に掲げるものを除く。)
2 前項第一号の固定資産のうち、金融先物取引業者が自己の債務の担保に供したものであって、次の各号に掲げるものについては、当該各号に定める額を当該固定資産の額から控除することができる。
一 建物 当該建物を担保にした借入金の額、当該建物の時価額(固定資産税評価額その他の資料に基づき合理的に算出した額をいう。)又は当該建物の帳簿価額のうちいずれか少ない額
二 土地 当該土地を担保にした借入金の額、当該土地の時価額(路線価その他の資料に基づき合理的に算出した額をいう。)又は当該土地の帳簿価額のうちいずれか少ない額
3 前項各号の借入金が二以上の資産を担保にしている借入金である場合には、当該担保となっているすべての資産について時価額又は帳簿価額のうちいずれか少ない額の比により当該借入金を按分して第一項第一号の固定資産のみを担保にした借入金の額を算出しなければならない。
4 第一項第三号ニに掲げる前払金のうち、仕入に係る消費税の前払金であって、その額がその他の預り金に計上した売上に係る消費税の額に達するまでのものについては、その額を当該前払金の額から控除することができる。
5 次の各号に掲げるものについては、その額から当該各号に定める額を控除することができる。
一 第一項第三号ハに掲げる短期貸付金 当該短期貸付金の貸付先から預託を受けている担保金その他の資産の時価額(当該資産が有価証券等である場合にあっては、当該時価額から当該有価証券等に係る次条第一項第一号に規定する市場リスク相当額を控除した額。以下この項において同じ。)
二 第一項第四号イに掲げる関係会社が発行した有価証券 当該有価証券に担保として付されている担保金その他の資産の時価額
三 第一項第五号に掲げる第三者のために担保に供されている資産 当該第三者から預託を受けている担保金その他の資産の時価額
6 前項第一号に規定する有価証券等に係る次条第一項第一号に規定する市場リスク相当額は、当該有価証券等の時価額に、別表第二に掲げる区分に応じ同表に定める率を乗じて得た額とする。
(リスク相当額)
第四条 法第八十二条第一項 に規定する金融先物取引(外国法人にあっては、国内の営業所又は事務所において行っている金融先物取引)に係る通貨等又は金融指標の数値の変動その他の理由により発生し得る危険に対応する額として内閣府令で定めるものは、次に掲げるものとする。
一 市場リスク相当額(保有する有価証券等の価格の変動その他の理由により発生し得る危険に相当する額をいう。以下同じ。)
二 取引先リスク相当額(取引の相手方の契約不履行その他の理由により発生し得る危険に相当する額をいう。以下同じ。)
三 基礎的リスク相当額(事務処理の誤り等日常的な業務の遂行上発生し得る危険に相当する額をいう。以下同じ。)
2 前項第一号の保有する有価証券等には、次に掲げるものを含み、前条第一項各号に掲げるもの及び自己株式を含まないものとする。
一 引受期間における引受けに係る有価証券等
二 金銭の信託(合同運用金銭信託(受託者が信託契約に基づき多数の委託者から金銭を受け入れこれを合同して運用し、その収益を信託した金額及び期間に応じて受益者に配分する金銭の信託をいう。)、金融先物取引法施行規則第二十九条の六第一項第二号 及び第四項第四号 に規定する信託、証券取引法第四十七条第三項 の規定による信託並びに商品取引所法 (昭和二十五年法律第二百三十九号)第二百十条 の規定による信託を除く。)に係る信託財産をもって保有する有価証券等
三 空売り(有価証券等を有しないで又は有価証券等を借り入れてする有価証券等の売付けをいう。)に係る有価証券等
四 自己の債務の担保に供されている有価証券等
3 前項第一号の「引受期間」とは、引受契約の締結日から払込期日までの期間をいう。ただし、有価証券の募集又は売出しに際し、ブックビルディング(有価証券の募集又は売出しに際して行う当該有価証券に対する投資者の需要の状況に関する調査をいう。以下この項において同じ。)を行った場合において、当該ブックビルディングにより当該有価証券に対する投資者の十分な需要が適正に把握されているときには、当該有価証券の募集又は売出しを開始した日から払込期日までの期間を引受期間とすることができる。
4 金融先物取引業者は、業務の態様に応じて合理的な方法により、市場リスク相当額及び取引先リスク相当額を、毎営業日、把握するものとする。
(市場リスク相当額)
第五条 市場リスク相当額は、保有する有価証券等について、標準的方式又は内部管理モデル方式により算出した額とする。
2 金融先物取引業者は、合理的な理由がある場合には、リスク・カテゴリーごと、業務の種類ごと又は一般市場リスク(市場全体に共通の要素の変動によって発生し得る危険をいう。以下同じ。)及び個別リスク(一般市場リスク以外の危険をいう。以下同じ。)ごとに、標準的方式又は内部管理モデル方式を選択して市場リスク相当額を算出することができる。この場合においては、それぞれの方式により算出した額の合計額を市場リスク相当額としなければならない。
3 前項のリスク・カテゴリーは、次に掲げる四種類とする。
一 株式リスク(株価の変動による株券(普通株式への転換権のない優先株式に係る株券を除く。)、新株予約権付社債券その他の有価証券等及びこれらの派生商品並びにこれらのオフ・バランス取引に係るポジション(以下「株券等」という。)の価格の変動により発生し得る危険をいう。以下同じ。)
二 金利リスク(金利の変動による債券、譲渡性預金の預金証書、普通株式への転換権のない優先株式に係る株券その他の有価証券等及びこれらの派生商品並びにこれらのオフ・バランス取引に係るポジション(以下「債券等」という。)の価格の変動により発生し得る危険をいう。以下同じ。)
三 外国為替リスク(外国為替相場の変動による外国為替、金、外貨建ての有価証券等及びこれらの派生商品並びにこれらのオフ・バランス取引に係るポジション(以下「外国為替等」という。)の価格の変動により発生し得る危険をいう。以下同じ。)
四 コモディティ・リスク(石油、金属(金を除く。)、農林水産物及びこれらの加工物並びにこれらの派生商品並びにこれらのオフ・バランス取引に係るポジション(以下「コモディティ等」という。)の価格の変動により発生し得る危険をいう。以下同じ。)
4 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める額を第一項及び第二項の規定により算出した市場リスク相当額に加算しなければならない。
一 同一の者が発行する有価証券等(指定国(指定国の中央銀行を含む。)の発行する債券並びに指定国の政府(中央銀行を含む。)が元本の償還及び利息の支払について保証している社債券その他の債券(指定格付機関により指定格付以外の格付が付与されているものを除く。)並びに前条第二項第一号に掲げるものを除く。次号において同じ。)の保有額が、固定化されていない自己資本の額に百分の二十五を乗じて得た額を超える場合(次号に掲げる場合を除く。) 当該有価証券等に係る市場リスク相当額に百分の五十を乗じて得た額
二 同一の者が発行する有価証券等の保有額が、固定化されていない自己資本の額に百分の五十を乗じて得た額を超える場合 当該有価証券等に係る市場リスク相当額
三 同一の者が発行する株券(前条第二項第一号に掲げるものを除く。次号において同じ。)の保有額が、その発行済株式の総数に当該株券の時価額を乗じて得た額に百分の五を乗じて得た額を超える場合(次号に掲げる場合を除く。) 当該株券に係る市場リスク相当額に百分の五十を乗じて得た額
四 同一の者が発行する株券の保有額が、その発行済株式の総数に当該株券の時価額を乗じて得た額に百分の二十五を乗じて得た額を超える場合 当該株券に係る市場リスク相当額
5 第三条第六項の規定は、前項各号の有価証券等に係る市場リスク相当額について準用する。
6 個別の有価証券等に係る市場リスク相当額が、当該有価証券等の時価額を超える場合には、当該時価額を当該有価証券等に係る市場リスク相当額とすることができる。
(標準的方式)
第六条 標準的方式を用いて算出する市場リスク相当額は、この条から第十一条までの規定により算出した株式リスク相当額、金利リスク相当額、外国為替リスク相当額及びコモディティ・リスク相当額の合計額とする。
2 オプション取引等については、別表第三及び別表第四に定めるところにより、市場リスク相当額を算出しなければならない。
3 二以上のリスク・カテゴリーに属する有価証券等については、リスク・カテゴリーごとに分解して市場リスク相当額を算出しなければならない。ただし、別表第五に掲げる有価証券等については、当該有価証券等のポジションの時価額に、同表に掲げる区分に応じ同表に定める率を乗じて得た額を市場リスク相当額(外国為替リスク相当額を除く。)とすることができる。
4 リスク・カテゴリーのいずれにも属さない有価証券等については、合理的な方法により、市場リスク相当額を算出し、これを加算しなければならない。
(株式リスク相当額)
第七条 株式リスク相当額は、株券等について、それぞれの国ごとに算出した一般市場リスク相当額及び個別リスク相当額並びに第五項の規定により算出した額の合計額とする。この場合において、派生商品については、別表第四に定める事項に留意して関連する原資産のポジションに変換の上、株式リスク相当額を算出するものとする。
2 株式リスク相当額の算出において、同一の銘柄(株価指数その他の指数を含む。以下この条において同じ。)のロング・ポジションとショート・ポジションは、これらを相殺することができる。
3 第一項の一般市場リスク相当額は、すべてのロング・ポジションの時価額とすべてのショート・ポジションの時価額との差の絶対値に八パーセントを乗じて得た額とする。
4 第一項の個別リスク相当額は、銘柄ごとのロング・ポジション又はショート・ポジションの時価額に、別表第六に掲げる区分に応じ同表に定める率を乗じて得た額の合計額とする。
5 前二項の規定にかかわらず、一の銘柄(指定国の代表的な株価指数を除く。)のロング・ポジション又はショート・ポジションの時価額が、すべてのロング・ポジションの時価額及びすべてのショート・ポジションの時価額の合計額に百分の二十を乗じて得た額を超える場合には、その超える部分に係る株式リスク相当額は、当該超える部分に相当する額に、別表第七に掲げる区分に応じ同表に定める率を乗じて得た額の合計額とする。
(金利リスク相当額)
第八条 金利リスク相当額は、債券等について、それぞれの通貨ごとに算出した一般市場リスク相当額及び個別リスク相当額の合計額とする。この場合において、派生商品については、別表第八に定める事項に留意して関連する原資産のポジションに変換の上、金利リスク相当額を算出するものとする。
2 金利リスク相当額の算出において、発行者、表面利率、通貨及び満期が等しい同一の債券等のロング・ポジションとショート・ポジションは、これらを相殺することができる。
3 第一項の一般市場リスク相当額は、マチュリティ法又はデュレーション法により算出した次に掲げる額の合計額とする。
一 すべてのロング・ポジションに係るリスク相当額とすべてのショート・ポジションに係るリスク相当額との差の絶対値に相当する額
二 次に掲げる額に、別表第九に掲げる区分に応じ同表に定める率を乗じて得た額の合計額
イ 各期間帯内のロング・ポジションに係るリスク相当額とショート・ポジションに係るリスク相当額の対当額(ロング・ポジションに係る額又はショート・ポジションに係る額のいずれか少ない額をいう。以下この号において同じ。)
ロ 各ゾーン内のネット・ポジションの額(期間帯ごとのロング・ポジションに係るリスク相当額とショート・ポジションに係るリスク相当額との差をいう。)の対当額
ハ 各ゾーン間のネット・ポジションの額(ゾーンごとのロング・ポジションに係るリスク相当額とショート・ポジションに係るリスク相当額との差をいう。)の対当額
4 前項のリスク相当額は、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める額とする。
一 マチュリティ法 個々の債券等ごとに、ロング・ポジション又はショート・ポジションの時価額に、別表第十に掲げる期間帯(債券等を残存期間又は次の金利更改日までの期間により分類したものをいう。)の区分に応じ同表に定める率を乗じて得た額
二 デュレーション法 個々の債券等ごとに、ロング・ポジション又はショート・ポジションの時価額に、価格感応度(債券等ごとに、別表第十一に掲げる期間帯(キャッシュ・フローが発生するまでの期間についてキャッシュ・フローの現在価値により加重平均することにより得られる期間をいう。)の区分に応じ同表に定める想定金利変動幅に対する当該債券等の価格感応度として計測したものをいう。次項において同じ。)を乗じて得た額
5 デュレーション法を用いる金融先物取引業者は、債券等の価格感応度の計測方法に関する事項を記載した書類を作成し、これを保存するとともに、当該計測方法を継続して使用しなければならない。
6 第一項の個別リスク相当額は、発行者並びに配当及び残余財産の分配に係る順位が同一の債券等ごとのロング・ポジションの時価額又はショート・ポジションの時価額に、別表第十二に掲げる区分に応じ同表に定める率を乗じて得た額のうちいずれか多い額の合計額とする。
(金利感応度の分析の承認)
第九条 金融先物取引業者は、金利感応度(金利の変動に対する派生商品の価値の変動をいう。以下この条及び別表第四において同じ。)の分析を行っているときは、金融庁長官の承認を受けて、同一通貨建ての派生商品に係るポジション全体を金利感応度が等しい同一通貨建ての債券のポートフォリオとみなして前条第一項の一般市場リスク相当額を算出することができる。
2 前項の承認を受けようとする金融先物取引業者は、次に掲げる事項を記載した承認申請書に金利感応度の分析に関する社内規則を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
一 商号又は名称
二 登録年月日及び登録番号
三 金利感応度の分析の対象となる取引の種類
四 金利感応度の分析を行う部署の名称及び体制
五 金利感応度の分析の方法及び当該方法が次項第四号に掲げる基準に適合することを説明した複数の具体的な事例
3 金融庁長官等は、第一項の承認をしようとするときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 リスク管理過程の設計及び運営に責任を負う部署(以下「リスク管理部署」という。)を金利感応度の分析の対象となる取引にかかわる部署から独立して設置し、毎営業日、金利感応度の分析を行っていること。
二 リスク管理部署が、金利感応度の分析に関する事項を記載した書類を作成し、これを保存していること。
三 合理的な数の期間帯に分けて、すべての期間帯に格子点(金利感応度の算出に当たって用いる各取引の利回り曲線に係る基準期間をいう。次号において同じ。)を配置し、金利感応度の分析を行っていること。
四 各格子点における金利の変化分の合成により得られる曲線が当該債券のポートフォリオの利回り曲線に係る同一の各格子点の金利の変化分の合成により得られる曲線と近似していること等、金利感応度を同一の金利の変動に対応する債券のポートフォリオの価値の変動と同視しうること。
4 第一項の承認を受けた金融先物取引業者は、金利感応度の分析の方法を変更しようとする場合においては、金融庁長官の承認を受けなければならない。
5 金融庁長官等は、第一項の承認を受けた金融先物取引業者が第三項各号に掲げる基準に適合しないこととなったとき又は前項の規定に違反したときは、当該承認を取り消すものとする。
(外国為替リスク相当額)
第十条 外国為替リスク相当額は、外国為替等について、次に掲げる額の合計額に八パーセントを乗じて得た額とする。
一 通貨ごとのネット・ポジションの額(次に掲げる額の合計額をいう。)について、すべてのロング・ポジションの額又はすべてのショート・ポジションの額のいずれか多い額
イ ネット直物ポジションの額(未収利息及び未払利息を含む通貨ごとの資産と負債の差額をいう。)
ロ ネット先物ポジションの額(通貨スワップの元本のうち直物ポジションに含まれないものを含む先物外国為替取引の将来の受取額と将来の支払額の差額をいう。)
ハ 保証債務及び保証予約の額の取引先リスク相当額
二 金のネット・ポジションの額(標準的な測定単位で表示し円貨に換算するものをいう。)
(コモディティ・リスク相当額)
第十一条 コモディティ・リスク相当額は、コモディティ等について、コモディティ等ごとに算出した次に掲げる額の合計額とする。ただし、算出に当たっては、標準的な測定単位で表示された各コモディティ等のネット・ポジションを円貨に換算するものとする。
一 ネット・ポジションの額に十五パーセントを乗じて得た額
二 ロング・ポジションの額及びショート・ポジションの額の合計額に三パーセントを乗じて得た額
2 コモディティ・リスク相当額の算出に当たっては、同一のコモディティ等のロング・ポジション及びショート・ポジションについて、直近の一年間又はそれ以上の期間の価格変動の間の相関係数が十分の九以上である場合には当該ポジションの対当額を相殺することができる。この場合において、相関係数が十分の九以上であることを説明した書類を保存しなければならない。
(内部管理モデル方式)
第十二条 内部管理モデル方式を用いて算出する市場リスク相当額は、バリュー・アット・リスクに乗数(別表第十三に掲げる超過回数の区分に応じ同表に定める率をいう。)を乗じて得た額とする。
2 前項の「超過回数」とは、算出基準日を含む直近二百五十営業日の営業日ごとの損益(実際に発生した損益又はポートフォリオを固定した場合に発生したと想定される損益をいう。)を算出した場合において、その日ごとの損失の額が保有期間を一日としてリスク計測モデルを使用して算出した営業日ごとのバリュー・アット・リスクを上回る回数をいう。ただし、当該回数が五回以上十回未満の場合において、当該回数のうちに市場の特殊要因に起因すると認められるものがあるときには、当該回数から当該特殊要因に起因すると認められるものを控除することができる。
(内部管理モデル方式の承認)
第十三条 金融先物取引業者は、内部管理モデル方式を用いようとするときは、金融庁長官の承認を受けなければならない。
2 前項の承認は、次に掲げる二種類とする。
一 一般市場リスク相当額を算出するための内部管理モデル
二 一般市場リスク相当額及び個別リスク相当額を算出するための内部管理モデル
3 前項第二号に掲げる内部管理モデルの承認を受けた金融先物取引業者は、一般市場リスクと個別リスクとに分けずに市場リスク相当額を算出することができる。
(承認申請書の提出)
第十四条 前条第一項の承認を受けようとする金融先物取引業者は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官に提出しなければならない。
一 商号又は名称
二 登録年月日及び登録番号
三 自己資本規制比率を把握し管理する責任者の氏名及び役職名
四 市場リスク相当額を算出する部署の名称及び組織の体制
五 内部管理モデル方式の内容
2 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 前項第三号に規定する責任者の履歴書
二 内部管理モデル方式に関する社内規則
(承認の基準)
第十五条 金融庁長官等は、第十三条第一項の承認をしようとするときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該金融先物取引業者が、定性的基準を満たしていること。
二 当該金融先物取引業者のバリュー・アット・リスクの算出方法が、定量的基準を満たしていること。
三 第五条第二項の規定に基づき標準的方式と内部管理モデル方式を選択して市場リスク相当額を算出する場合においては、その合理的な理由があること。
2 前項第一号の「定性的基準」とは、次に掲げるものをいう。
一 リスク管理部署をバリュー・アット・リスクの算出の対象となる取引にかかわる部署から独立して設置し、毎営業日、バリュー・アット・リスクを分析し、かつ、当該分析結果に関する報告書を作成していること。
二 リスク管理部署が、過去の市場リスク相当額の算出方法が合理的で適切なものであることを説明する資料を作成し、かつ、保存していること。
三 リスク管理部署が適切なバック・テスティング及びストレス・テストを定期的に実施し、それらの実施手続、結果及び当該結果に基づき必要に応じ執った対策を記載した書類を作成していること。
四 バック・テスティング及びストレス・テストを通じ、必要に応じ、バリュー・アット・リスクの算出方法を改善する体制となっていること。
五 取締役等(取締役若しくは執行役又はこれらに準じて社内で責任を負うものをいい、外国法人にあっては、国内にある代表者又は支店に駐在する役員をいう。次号において同じ。)がリスク管理の手続に積極的に関与し、かつ、責任を負う体制となっていること。
六 リスク計測モデルが通常のリスク管理の方法に密接に組み込まれており、かつ、取締役等に基本資料として報告されていること。
七 リスク計測モデルの運営に関する内部の方針、管理及び手続を確立して、その内容を記載した書類を作成し、かつ、それらを遵守するための手段が講じられていること。
八 リスクの計測の過程について、原則として、六月に一回以上内部監査を行うとともに、一年に一回以上外部監査を受けていること。
九 リスク計測モデルが定量的基準を満たしているかどうかについて、一年に一回以上外部監査を受けていること。
3 第一項第二号の「定量的基準」とは、次に掲げるものをいう。
一 片側九十九パーセントの信頼区間を使用し、有価証券等の保有期間は十営業日以上とすること。ただし、十営業日より短い保有期間によって算出したバリュー・アット・リスクを付録の算式により換算した数値を、保有期間を十営業日として算出した数値とみなすことができる。
二 ヒストリカル・データ(過去に実際に発生した価格変動を表す数値をいう。以下この項において同じ。)の観測期間は一年以上とし、三月に一回以上更新すること。また、ヒストリカル・データをその各数値に掛目を乗じて使用する場合においては、各数値を計測した日から算出基準日までの期間の長さにその掛目を乗じて得たものの平均を合理的なものとすること。
三 株式リスク相当額の算出に当たっては、国ごとに計測すること。
四 金利リスク相当額の算出に当たっては、原則として、通貨ごとに合理的な数の期間帯に分けて作成されたイールド・カーブ(債券等の利回りと残存期間の関係を表す曲線をいう。)を用いること。
五 外国為替リスク相当額の算出に当たっては、原則として、通貨(金を含む。)ごとに計測すること。
六 コモディティ・リスク相当額の算出に当たっては、コモディティ等ごとに計測するとともに、他のコモディティ等と相殺を行う場合には、当該コモディティ間の相関関係を適確に把握すること。
七 オプション取引のリスクについては、リスク・カテゴリーごとに計測するとともに、オプションに特有のリスクについても計測すること。
八 株式、金利、外国為替及びコモディティの各リスク・カテゴリー間において、ヒストリカル・データから計測される相関係数に基づいてポジション同士を相殺する場合には、当該相殺を合理的に説明した書類を作成し、かつ、保存すること。ただし、ヒストリカル・データについては、毎月一回以上更新し、かつ、相関係数を修正すること。
4 金融庁長官等は、第十三条第二項第二号に掲げる内部管理モデルの承認をしようとするときは、第一項各号に掲げる基準に加え、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 合理的な方法により一般市場リスク及び個別リスクから市場リスク相当額が算出されていること。
二 自己のポートフォリオに関する過去の価格変動について、一般市場リスク及び個別リスクの観点から説明されていること。
三 リスクの集中度も含めた自己のポートフォリオの構成が市場リスク全体の構成に与える影響を把握していること。
四 流動性の低下その他の市場環境の悪化が市場リスク全体に与える影響を把握していること。
五 イベント・リスク(個別リスクのうち例外的な事態が生じた場合に発生し得る危険をいう。)について、常に合理的な分析を行っていること。
(届出及び承認の取消し)
第十六条 第十三条第一項の承認を受けた金融先物取引業者は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、遅滞なく、その旨を金融庁長官に届け出なければならない。
一 バリュー・アット・リスクの算出方法を修正したとき。
二 超過回数(第十二条第二項本文に規定する超過回数(同項ただし書の規定により特殊要因に起因すると認められるものを控除する前の超過回数)をいう。次項、第三項及び別表第十三において同じ。)が四回以上となったとき。
2 第十三条第一項の承認を受けた金融先物取引業者は、超過回数が五回以上となったときは、その都度、直ちに、その旨を記載した届出書に超過回数が五回以上となった原因を分析した書類を添付して金融庁長官に提出しなければならない。
3 金融庁長官等は、第十三条第一項の承認を受けた金融先物取引業者における超過回数が十回以上となった場合において、当該金融先物取引業者が内部管理モデル方式を用いて市場リスク相当額を算出することを不適当と判断したときは、当該金融先物取引業者の第十三条第一項の承認を取り消すことができる。
4 前項の規定にかかわらず、第十二条第二項に規定する超過回数が二十回以上となったときは、第十三条第一項の承認は、その効力を失う。
(取引先リスク相当額)
第十七条 取引先リスク相当額は、別表第十四から別表第十六までに掲げる取引又は資産等の区分に応じ、これらの表の与信相当額の欄に定める額にリスク・ウェイト欄に定める率を乗じて得た額の合計額とする。
2 前項の規定にかかわらず、別表第十七に掲げる取引については、同表に掲げる取引の区分に応じ、同表の与信相当額の欄に定める額にリスク・ウェイト欄に定める率を乗じて得た額の合計額を取引先リスク相当額とすることができる。
3 前二項に規定する与信相当額(信用取引(証券取引法第百六十一条の二に規定する取引及びその保証金に関する内閣府令 (昭和二十八年大蔵省令第七十五号)第一条第一項 に規定する信用取引をいう。以下同じ。)に係るものを除く。以下この項において同じ。)の算出において、取引の相手方から担保金その他の資産の預託を受けている場合には、当該預託を受けている担保金その他の資産の時価額(当該担保金その他の資産が有価証券等である場合にあっては、当該有価証券等に係る市場リスク相当額を控除した額)を当該与信相当額から控除することができる。
4 第三条第六項の規定は、前項に規定する有価証券等に係る市場リスク相当額について準用する。
5 異なる通貨間の金利等のスワップ取引、為替先渡取引、先物外国為替取引、通貨先物取引、同一の通貨間の金利のスワップ取引、金利先渡取引及び有価証券店頭デリバティブ取引については、取引の相手方が定期的に又は最終決済時に支払うべき金額を支払うべきこととなった日から六営業日経過しても払い終えていない場合には、当該金額(取引の相手方から担保金として預託された資産を処分した場合にはその処分額を控除した額)を取引先リスク相当額としなければならない。
6 指定格付が付与されていない有価証券の発行者又は指定格付と同等の会社格付(保険金支払能力格付を含む。)を付与されていない者(以下この項において「指定格付が付与されていない有価証券の発行者等」という。)との取引(信用取引を除く。)であって次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる額を取引先リスク相当額に加算しなければならない。
一 指定格付が付与されていない有価証券の発行者等に対する与信相当額が、固定化されていない自己資本の額に百分の二十五を乗じて得た額を超える場合(次号に掲げる場合を除く。) 取引及び資産等の区分に応じた取引先リスク相当額に百分の五十を乗じて得た額
二 指定格付が付与されていない有価証券の発行者等に対する与信相当額が、固定化されていない自己資本の額に百分の五十を乗じて得た額を超える場合 取引及び資産等の区分に応じた取引先リスク相当額
7 法第六十五条第二項 の規定に基づき金融庁長官の承認を受けた業務については、当該業務に係る取引の相手方の契約不履行その他の理由により発生し得る危険に相当する額を取引先リスク相当額に加算しなければならない。
(基礎的リスク相当額)
第十八条 基礎的リスク相当額は、計算を行う日の属する月の前々月以前一年間の各月の営業費用(販売費・一般管理費及び金融費用(現先取引費用を除く。)をいう。以下この条において同じ。)の額の合計額に四分の一を乗じて得た額とする。
2 各事業年度の決算において会計処理をした営業費用がある場合には、当該営業費用の額を前項に規定する営業費用の合計額に加算し、又はこれから控除しなければならない。
3 前二項に規定する営業費用の計算に当たっては、次に掲げるものを控除することができる。
一 支払手数料のうち、次に掲げるもの
イ 営業収益と両建てとなる委託手数料
ロ 営業収益と両建てとなる引受け・売出し手数料及び募集・売出しの取扱手数料の証券会社、外国証券会社及び外国証券業者に関する法律第二条第一号 に規定する外国証券業者への払戻し
二 通信・運送費のうち、証券取引所の会員等(証券取引法第八十二条第一項第三号 に規定する会員等をいう。以下この号において同じ。)である証券会社による証券取引所の会員等となっていない証券会社に対する払戻し
三 減価償却費
四 貸倒引当金繰入れ
五 支払債券利子
六 金融収益と両建てとなる信用取引に係る支払利息(信用取引に係る受取利息を超えないものに限る。)及び有価証券品借料(信用取引に係る有価証券品貸料を超えないものに限る。)
4 基礎的リスク相当額の算出において、計算を行う日の属する月の前々月以前の期間が一年に満たない場合は、合理的な方法により算出しなければならない。
(届出)
第十九条 法第八十二条第一項 に規定する内閣府令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 自己資本規制比率が百四十パーセントを下回った場合
二 自己資本規制比率が百四十パーセント以上に回復した場合
2 金融先物取引業者は、法第八十二条第一項 の規定に基づき、別紙様式第一により作成した毎月末の自己資本規制比率に関する届出書を、翌月二十日までに金融庁長官に提出しなければならない。
3 第一項第一号に該当することとなった金融先物取引業者は、法第八十二条第一項 の規定に基づき、直ちに、その旨を金融庁長官に届け出、かつ、営業日ごとに、別紙様式第二により自己資本規制比率に関する届出書を作成し、遅滞なく、これを金融庁長官に提出しなければならない。
4 前項に規定する届出書には、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める書類を添付しなければならない。
一 自己資本規制比率が百四十パーセントを下回った場合(次号に掲げる場合を除く。) 自己資本規制比率の状況を維持するために自らとるべき具体的措置に関する計画書
二 自己資本規制比率が百二十パーセントを下回った場合 自己資本規制比率の状況を回復させるために自らとるべき具体的措置に関する計画書
5 第一項第二号に該当することとなった金融先物取引業者は、法第八十二条第一項 の規定に基づき、遅滞なく、その旨を金融庁長官に届け出なければならない。
6 金融先物取引業者は、毎営業日ごとに、自己資本規制比率の状況を適切に把握しなければならない。
(公衆の縦覧)
第二十条 金融先物取引業者は、法第八十二条第三項 の規定により書面を作成するときは、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 固定化されていない自己資本の額
二 市場リスク相当額、取引先リスク相当額及び基礎的リスク相当額並びにこれらの合計額
三 自己資本規制比率
2 補完的項目の額に、劣後債務(第二条第一項第七号ニに掲げる長期劣後債務又は同号ホに掲げる短期劣後債務をいう。以下この項において同じ。)の額がある場合には、次に掲げる事項を前項に規定する書面に注記しなければならない。
一 当該劣後債務の金額
二 当該劣後債務の契約日又は発行日
三 当該劣後債務の弁済期日又は償還期日
(経由官庁)
第二十一条 金融先物取引業者が、申請書、届出書その他この府令の規定による書類を財務局長又は福岡財務支局長に提出しようとする場合において、当該金融先物取引業者の本店の所在地が財務事務所、小樽出張所又は北見出張所の管轄区域内にあるときは、当該金融先物取引業者は、当該書類及びその写し一通を財務事務所長、小樽出張所長又は北見出張所長を経由して提出しなければならない。
(標準処理期間)
第二十二条 金融庁長官等は、この府令の規定による承認に関する申請がその事務所に到達してから一月以内に、当該申請に対する処分をするよう努めるものとする。ただし、第十三条第一項の承認に関する申請に対する処分は、三月以内にするよう努めるものとする。
2 前項に規定する期間には、次に掲げる期間を含まないものとする。
一 当該申請を補正するために要する期間
二 当該申請をした者が当該申請の内容を変更するために要する期間
三 当該申請をした者が当該申請に係る審査に必要と認められる資料を追加するために要する期間